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生命の基盤 リボソームの構造・機能が解明された! [医学・科学の解明]

リボソーム構造・機能が解明され 3人の博士がノーベル科学賞を授与された しかし原子レベルでの解析ですから ほんとに科学・医学の進歩はすごいスピードですすんでいると思いました ゲノム解析もすごいスピードで進んでいます 生命体の基盤となる部分です 私は定説・仮説・常識も含めて 覆されることに非常に興味深さを感じます 生命体ほもとより テクノロジー 宇宙物理学なども興味津々です 解明され新しい突破口が開ける そんな時 生きてて良かったと思うのです おもしろいですね(^-^) 下記の模式図は教科書などで見たことがあると思います  

     rs.jpgribosome.gif

リボソーム(Ribosome)は 「タンパクの合成工場」と呼ばれ タンパク質の合成の場となる細胞質内の顆粒の小器官  リボソームでは 酸素を運ぶ血中のヘモグロビンや 血糖値を調節するインスリンなど 生命活動の維持に不可欠な物質が合成されている リボソームは 大きさは約25ナノメートルで DNAにある遺伝情報を「mRNA」と呼ばれる分子がコピーしそれを基にリボソームの中で 様々なタンパク質が合成される すべての細胞内に存在し ミトコンドリア 葉緑体にも存在している  リボソームは 複数のリボソームRNA(rRNA)と数十個の タンパク質分子からなる。 真核細胞のリボソームは 沈降速度80S(S:スベドベリで沈降速度の単位)の粒子で 60Sと40Sのサブユニットからなるのに対し 原核細胞のリボソームは 70Sの粒子で 50Sと30Sのサブユニットからなる この構造を解析し明らかにしたのが 3氏の功績にとなります


ヨナット博士は 1970年代から 遺伝情報に従って 細胞質にあるアミノ酸を順番につなげ メッセンジャーRNAがどのように結合し トランスファーRNAがどのように働くのか タンパク質を合成する働きを持つリボソームの構造解明に取り組み 3氏はX線結晶構造解析を用いて それまで不可能とされてきた リボソームの原子レベルでの構造解明に成功した これにより タンパク質合成に関する研究を進めることが可能となった
当時 解析に向いた結晶を作ることは非常に困難と考えられていたが 同博士が解決の糸口を見いだし 研究者の競争が活発化  3氏は ほぼ同時に細菌のリボソームの構造を 原子レベルで特定し 2000年に発表しています

この動画は 小さい方のサブユニットに メッセッンジャーRNAが結合するのを助ける 緑・青・赤・黄のアミノ酸で 大きなサブユニットが結合すると 青のトランファーRNA以外ははなれていく また別のトランスファーRNA+アミノ酸(ピンク)が結合しEF-Gというアミノ酸は 次に来る また別のトランスファーRNA+アミノ酸()が入れるように 2つのサブユニットを広げる役目を果たす このプロセスを繰り返して各タンパクの合成をしている様子 

 

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リボソームの構造・機能 解明CG 「Elongation 」※(翻訳)   

次の動画は リボソームの再生のメカニズム 細胞が生きていく根源 再生因子のピンク色の部分の動きによって 2つのユニットが分離再生する このプロセスで様々なタンパク質が造られていくということが 原子レベルで解明されました

-------------------------------------------------------------------      リボソーム 2つのユニット再生因子のメカニズム 解明CG

リボソームが RNAからタンパク質を合成する「Elongation」※(翻訳)ポリペプチド鎖の伸長を促進するタンパク質を阻害する 薬剤は 生物のタンパク質の合成を停止させるために毒性を示す  リボソーム阻害剤は 病原細菌の増殖停止を目的にした 感染症の化学療法薬(抗生剤)にも利用されている  しかし どのようにして抗生剤が 機能しているかそのプロセスは これまで解明されてはいませんでした


3氏は、この細菌のリボソームの再生因子に抗生物質が結合し その働きを阻害するプロセスを解明 真正細菌とヒトなどの真核生物では リボソームの構造が異なるため 真正細菌のリボソームにのみ特異的な阻害剤は 病原細菌に対する毒性は高いが ヒトに対する毒性が低い 選択的治療薬(特定病原細菌阻害剤)として働くためでだそうです

下のD動画は 稲熱病の細菌の小さい方のユニットに 抗生剤の2つの分子が リボソームに結合できないように トランスファーRNAに結合している 正しく結合しないと タンパク質を造ることができないため 細胞は死んでしまうことになります
---------  リボソーム再生因子の阻害メカニズムの  解明CG -----------------

抗生物質は繰り返し使うと 細菌が抵抗力を持つので 新型の抗生物質を 原子・分子レベル構造解析により「リボゾーム再生因子」阻害剤・薬品 設計(デザイン)をすることにも貢献した MRSA(黄色ブドウ球菌)による 院内感染や MRSAに対する抗生剤 バンコマイシン 外国産の鶏などの抗生剤 多用によるVRE(バンコマイシン耐性腸球菌)という 抗生剤の効かない肺炎など 細菌も進化していく そのことから 抗生剤の使用はひかえられた記憶がありますね
安易には使用してはいけない 的確に使用しないと 耐性菌を作ってしまうというリスクが潜んでいる リボソームによる アミノ酸生成の構造解析が 解明されたことで 的確な特定部位に作用する 原子・分子レベルの新薬・抗生剤(抗菌剤)・抗ガン剤の今後の開発に貢献する功績であると思います どもまでいくのか 楽しみですね


                     タンパク質合成をなぜ翻訳というか
           ……遺伝子の目的……
タンパク質をつくること-----アミノ酸が連なった線状分子 ・遺伝子(DNA)とタンパク質    は遺伝情報をもつ。
書き込まれる文字や形式は異なる。
遺伝子(DNA)アデニン、チミン、グアニン、シトシン
タンパク質
  バリン、ロイシン、イソロイシン、アラニン、アルギニン、グルタミン、リジ
  ン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、システイン、スレオニン、メ
  チオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、アス
  パラギン、グリシン、セリン
mRNA
DNAとタンパク質の間の情報の受け渡し役 ・塩基配列から 
アミノ酸配列への読みかえが必要である そのため翻訳というそうです


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コメント 6

のろ

( ̄  ̄;) うーん・・・。難しいです。
by のろ (2009-12-22 22:06) 

cobooo

昔習ったな~ってことと、最新情報を分かりやすく解説してくれてありがとうございます!
by cobooo (2009-12-22 22:08) 

エコピーマン

>のろさん
なるべくわかりやすいよに 書いたつもりですが
原子レベルで 新薬品に開発にアプローチできることが解明されたということです
by エコピーマン (2009-12-23 03:07) 

エコピーマン

>coboooさん
医学・科学の進歩は 目を見張る程の驚きがあります
脳科学がもっと 解明されると 私たちは希望がもてるのですが まだまだ未知の領域ですね
by エコピーマン (2009-12-23 03:11) 

cannondale

昔に”人の体は小宇宙”と聞いた事がありますが、、
その一部分の解説ですねwww
まだまだ、計り知れない何かがありそうで楽しいですねwww
by cannondale (2009-12-23 23:29) 

エコピーマン

>cannondaleさん
人の謎が解明されることや 宇宙の謎・海の生態の謎 
医学・科学テクノロジーはどこまでいくのか 楽しみです
わくわくします 明暗があるのでしょうが 明るいほうに期待しています
by エコピーマン (2009-12-24 16:14) 

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